AUTOSAR準拠のソフトウェアで未来へドライブ

※この記事は、2017年2月23日にフランソワ=ザビエル・フォルナーリ氏が投稿した記事を翻訳したものです。

最近の自動車に搭載されるシステムは、10年前には誰も想像すらできなかった機能が大きな位置を占めており、以前よりも複雑で、よりスマートで、より自律的なものとなっています。先進のセンサと電子装置は、車両の速度と位置からエンターテイメントと通信技術に至るまで全てを制御しており、レーダーやカメラ、そして他の洗練された電子装置が一般車両へ次々に組み込まれています。現在では、自動車にかかるコストの60パーセント以上がその先進的な電子機器とソフトウェアシステムに由来すると言われています。

電子装置が管理する機能の多くはミッションクリティカルなものであるため、存在する全ての自動車のシステムが完全な信頼性の下で協調動作をすることが必要不可欠です。これらのシステムを制御する数千万行ものソフトウェアコードは完璧である必要がありますが、システム技術とコンポーネントの多くは1社ではなく別々のサプライヤーから提供されるため、自動車のシステムズエンジニアにとり悩みの種となっています。

エンジニアは、ロバストかつフェイルセーフのシステムアーキテクチャを作り、システムの首尾一貫した運用を保証する制御を完成させるという重大な仕事に直面しています。自動車のシステムズエンジニアリング・チームの多くは手作業のプロセスに頼っており、Microsoft Excelなどの一般的なツールを使ってアーキテクチャを生成して検証してきました。しかしこれらのツールは自動車のシステム設計作業用として開発されていないため、迅速かつ首尾一貫したエンジニアリング成果をサポートしていません。そのため、関連する手作業のプロセスは大変時間がかかるだけでなく、人が行う故に起きるエラーの影響も受けることになります。

AUTOSAR規格のサポート

2003年、自動車のエレクトロニクス向けのオープンなソフトウェア・アーキテクチャを定義するAUTOSAR(AUTomotive Open System ARchitecture)が発足しました。

AUTOSARは車載の組込みソフトウェア(電気および電子回路コンポーネント)の標準化と再利用を推進しており、モジュール性とコンフィギュレーション能力を対象としています。コンフィギュレーション能力によって、電子制御装置(ECU)への統合を可能にする階層化ソフトウェア・アーキテクチャを定義します。これによって異なるサブライヤーから提供された機能を再利用することができます。標準化されたインターフェースは各レイヤ間で定義され、標準化されたデータ型が定義されます。このAUTOSARのランタイム環境(RTE)につながる全ての構成要素は、ユーザー特有のソフトウェアへの統合を確実にするためにAUTOSARの仕様を遵守する必要があります。

AUTOSARのアーキテクチャは、以下から構成されています:

  • アプリケーション用のソフトウェアコンポーネント(SWC)
  • 低水準のサービス用の基本的なソフトウェアコンポーネント
  • ランタイム環境

ANSYS SCADEツールと、R18から新しくリリースされたANSYS SCADE Automotive Packageは、アプリケーションの部品であるソフトウェアコンポーネントを設計するために使うことができ、AUTOSARのRTEが必要とするインターフェイスに従ってANSYS SCADEモデルからコードが生成されます。


ANSYS SCADEによる詳細なフローは以下の通りです:

  • システムアーキテクチャ・チームがソフトウェアコンポーネントを実装するためにARXML規格の表記法を用いてAUTOSARアプリケーションの記述を行うことから始まります。
  • AUTOSARモデルは、ソフトウェアアーキテクチャ実装に関連する付加情報を追加可能なSCADE Architectによって、ソフトウェアアーキテクチャ・チームによってインポートされます。
  • AUTOSARのrunnablesは、SCADEモデルのパーツ- ソフトウェア機能 -であり、実行ソフトウェアであり、SCADE Suiteと同期を取ります。双方向の同期機能により、ソフトウェアアーキテクチャと実装インターフェース間で常に完全な一貫性を保つことができます。
  • 組込みソフトウェアモデルのふるまいはSCADE Suiteで設計され、ソフトウェアエンジニアリング・チームによってISO 26262で認証可能なコードがSCADE Suite KCGコードジェネレータから自動で生成されます。
  • その生成コードと付加的なAUTOSARアーキテクチャレベル情報を用いて、AUTOSAR準拠のラッパーコードがSCADE Automotive Packageによって自動的に生成され、システム/ソフトウェア統合チームがそれを使います。

このデモ動画を見ることで、AUTOSARとSCADE Automotive Packageについてより多くを学ぶことができます。

未来へドライブ

自動車のシステムと組込みソフトウェア設計に対するモデルベースのアプローチは、エンジニアリングメンバーの生産性を著しく増大させます。設計者がコード生成と検証タスクを管理するために先進のツールに頼るほど、新しいシステムアーキテクチャをより迅速に立ち上げることができます。

自動車に搭載される電子装置の能力が急速に発展している今こそ、最新の考え方と最高の技術を反映した電子システム設計ソリューションを使うべきです。例えば航空宇宙や原子力発電、鉄道輸送分野などのミッション・クリティカルなアプリケーションにおいて効果が既に証明され、制御ソフトウェアコードを生成するANSYS SCADEのモデルベース・ソリューションは、自動車産業でも適用可能なソリューションです。
このようなツールを使うことで得られる新しいレベルの開発速度と効率は、完全な自律走行車両の開発競争において、メーカーをリーダー(先導者)とフォロワー(追従者)に分けることになるでしょう。

このエントリは自動車の、組込みソフトウェアで投稿され、フランソワ=グザヴィエ・フォルナーリによってADAS、自動コードジェネレータ、自動車の電化、自動車の電子装置、自動車のシステムモデル、AUTOSAR、組込ソフトウェア、MBSE、SCADE、システムズエンジニアリングにタグを付けられています。

(記事参照元)
http://www.ansys-blog.com/autosar-compliant-software/

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